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Weekly "Keyboard World"

週刊「鍵盤世界」

15.

今回はちょっと趣向を変えて、筆者のキーボード環境について紹介しましょう ― 1997.12.08 掲載

前回は、「いわゆる『JIS 配列』キーボードのカナの配置っていうのは、 どうしてこんなふうに決まったのでしょう」という疑問を提示したところで話を終らせました。今週は本来、それについて書いてみようかと考えていたんですけど、考えてみると私は今まで一度も「カナでタイプ」という行為をしたことがないことに気がついたのです。

このページの目的は「キーボードに関して私が感じる事、考える事を書く」 のが種で、雑学や蘊蓄、解説というのはそもそも二の次なんです。 その上で、カナでタイプをしたことがない人間が「感じる事、考える事」 をつらつら書いても仕方がないのではないか…などと考えてしまったら、筆が進まなくなってしまいました。 というわけで、非常に申し訳ないのですが、前回提示した予告は撤回させて下さい。

カナの配列については私自身もいろいろと資料、文献を当たってみたのですが、 「キーボードのJISカナ配列」 に十分な情報が纏まっていたため「わざわざ書く必要もない」 などと考えてしまったというのも、今回執筆を断念した理由の一つです。 いちいち情報の焼き直しをする必要なんてありませんからね。

なお、「オアシスのホームページにようこそ」 は日本語ワードプロセッサ OASYS の生みの親である神田泰典氏のページです。 日本語とキーボードの関係について非常に丁寧に解説されていて脱帽ものです。 興味のある方はぜひ御覧下さい。

…というわけで、本来 4 回に分けてでやろうと思っていた「The whole aspect of JIS X 6002-1980」は、これでお終いという、よくわからないオチになってしまいました。 それでは、また来週…

というのは冗談です。 今週は、「こんなページを作っているヤツのキーボード環境ってのは、一体どんなんやねん」 なんていうことに疑問を持たれた方のために(いるとしてですが?)、 私の計算機環境で活躍するキーボード群を紹介することにしますです。

さて、現在、自宅で計算機を使って行う作業のメインは、このページの作成です。 ページの編集は Linux + Mule という環境で行っていますので、 いきおい一番使うキーボードは Linux を入れたデスクトップ PC のキーボードということになります。

この PC についているキーボード、意外かもしれませんが 「日本語 106 キーボード」だったりします。Ctrl キーが A の横になくて、 InsertPage Up などというキーがところ狭しと並び、 テンキーに加えてファンクションキーまでついていて、キートップにカナの刻印があり、 しかも 無変換ひらがな などといったの余計なキーまでついている、あの最低のキーボードです。

何故このようなキーボードを使っているかというと、ただ単に、私が貧乏性だからです。 PC を買ったら最初からバンドルされていたので、 何となく新しいキーボードを買うのが勿体ないと思えてしまったのです。

ちゃんとしたキーボードを別に買ってしまうと、このキーボードは純粋な「ゴミ」になってしまいます。 部屋に置いておいても場所を食うだけですし、他の人にプレゼントしようにも、 誰もこんなキーボード欲しがらないでしょう(大抵のPC使いはこのキーボード、一つは持っているはずです)。 まだ使えるものを、みすみす捨ててしまうのも心が痛むところです。

となると、ゴミを生産しないために止むを得ずこのキーボードを使うわけになるんですが… とりあえず、キー配列をカスタマイズすることで何とか逃げています。

まず、キーボードは 101 キーボードとして扱うようにしています。 どのみちキーボード上の刻印なんて見ませんから、106 キーボードを 101 キーボードのキー配列としてタイプしても、何ら問題はありません。 次に、CtrlCaps Lock を入れ換え…つまり、Ctrl を押すと Caps Lock として、Caps Lock を押すと Ctrl として機能するようにします。この二つの処理だけで、 大きな問題もなく快適に日本語 106 キーボードが使えます。

Linux のデフォルトのキー配列は 101 キーボード配列ですから、 通常は日本語 106 キーボードを使っていても 101 キーボードとして処理されます。 Linux に日本語関係のソフトウェア、日本語化されたソフトウェアを導入する 「JE(Japanese Extension)」というパッケージには 日本語 106 キーボードを日本語 106 キーボードとして扱うことが出来るようなキーマッピングテーブルが付属して、 これを使えば日本語 106 キーボードがちゃんと使えるのですが、私はこれを使っていないというわけです。

なお、CtrlCaps Lock の入れ換えも、 JE 付属のキーマッピングテーブルを利用しています。

というわけで、配列については何とかなっているのですが、やはりこの大きさには閉口します。 これさえ片がつけば、このキーボードでも特に不都合はないんですけどね。 もし、このキーボードを引き取って下さるという心の広い方がおられましたら、いつでも言って下さい。 このキーボードが平和的に処分出来たら、別のキーボードを買いますので。

さて、「移動中の文書作成マシン」である Libretto 50 のキーボード。 悲しいことに、このキーボードも日本語 106 キーボードがベースとなっています。 Libretto も Linux で使用していますので、当然の如く上記のような対策を施してはいるのですが、 困っているのが一番右端に陣取っている HomePgUpPgDnEnd というキー群。 Retrun キーや Shift キーを押したつもりで、ついこれらのキーをタイプしてしまうことが多いのが悩みです。 タイプしても何も起こらないよう、キーを殺してしまえばいいのですけどね。

Libretto 70 ではこれらのキーがなくなって、その分キーピッチが大きくなっています。 それだけでも、50 から 70 に買い替えたいんですが…誰が 50 買い取ってくれません?

ところで、私の手元には Macintosh Quadra 650 もあります。 「Mac で Web ページを作らない Mac ユーザ」っていうのもめずらしいかと思いますが、こう見えても Mac ユーザです。 今まで Mac では Apple Keyboard の配列に準じたキーボードを使っていたんですが、最近スペアとしてストックしていた Apple Keyboard II と交換に Apple Keyboard を譲っていただくという機会に恵まれました。

この Apple Keyboard、タッチが最高にいいことに加えて、 CtrlA の横にあるというのがポイントです。 Mac で使えるキーボードの中では間違いなく 3 本の指に入る製品です。 ただ、最近 Mac を使う時間が全くない、なんていうのは内緒でも何でもありません。

今度は職場の環境をご紹介しましょう。私の職場の机の上には、 合計で 4 台の計算機が配置されています。これを一人で使っているわけなのですから、 キーボードの配列が違うのは致命的です。「このマシンでは JIS 配列、 こっちのマシンは US 配列…」なんて考えながらタイプしたくないですからね。

Windows NT マシンには古い 101 キーボードがつけてあります。 Ctrl キーと Caps Lock キーを 窓の杜 から持ってきた「AltIme」というツールを使って取り替えてしまえば、それだけで快適な環境になります。

Mule 専用マシンと化している Sun の SPARCstation IPC には、 US 配列の省スペースキーボードがついています(実は無理を言って、 強引に Type 5 日本語キーボードと取り替えてもらってたりします)。 ファンクションキーはついてますけど、テンキーがないぶん、非常に快適に使えます。

リアルタイム OS が載った PC には、工業製品用の小さいキーボードがついてます。 US 配列であることに加え、Ctrl キーが A の横にあるというのが非常に魅力です。

最後は Windows 95 を使うための S 社のノート PC。 こいつは国産というだけあって、しっかり日本語 106 キーボードベースです。 でも、Windows 95 のキーボードドライバを 101 キーボードに取り替え、 「AltIme」で Ctrl キーと Caps Lock キーを取り替えたら、それだけで殆ど問題なく使えるようになりました。

キーボードドライバの交換は、「コントロールパネル」の「キーボード」などで行えます。 「情報」タブを開き、「変更」ボタンをクリックすると「デバイスの選択」ウィンドウが表示されます。 そこで「101 英語キーボード」を選択して再起動すると、キーボードのドライバが 101 キーボード用に変更されます。 「US 配列でなければ困る」という人は、ぜひ試してみて下さい。生産性が全然変わってきますよ。

今回は急遽予定を変更して「著者のキーボード環境」を紹介してみました。 正直なところ、キーボードについてはバンドルされているから仕方なく使っている、というケースが多いのです。 個人的には、計算機メーカにはキーボードのバンドルという無意味な行為を早めにやめてほしいなぁ、と思うのです。 人それぞれ好みっていうのがあるのが当然なのに、勝手にキーボードを押しつけられてしまうわけですからね。

読者の中にも、「今使わされているキーボードはどうも配列が気にいらない」 という人は多いかと思います。 そんなときは体をそちらに合わせるのではなく、「ソフトウェア的に手を打つ」 という手段で乗り切ったほうがいいのでは…と思います。

キーボードの物理的な制約…つまり、大きさやキーの数というものは、 ユーザからするとどうしようもない部分です。 しかし、キーボード上のキーのアサインは所詮ソフトウェアで行っていることですから、 ユーザが手を加える余地も多分に残されているのです。 「今使っているキーボードにはどうしても耐えられない!!」という場合は、 このようなところに手を加えると、それだけで使いやすさが変わってきます。 諸般の事情によってキーボードそのものを交換できない場合は、このようにして妥協するのも手だと思います。

でも、101 キーボードに日本語 106 キーボードと同じ操作感を求めるのはちょっと無理ですね。 キーの数が足りませんから。